前回からの続き。
部品も届いたのでセローのチェーンとスプロケット交換を再開する。
届いた部品たち。
注文していた部品はリアスプロケットの
・スタッドボルト:90116-08010を8個
・ロックナット:95607-08100を8個
スタッドボルトとロックナットは6個あればいいのだが予備として2個づつ追加。
ついでに前回のオイル交換時に少々なめたドレンボルトも注文した(なんかナメてばっかだな)。
リアホイールを外して仮止めしておいたスプロケットを取り外そうとしたら6個のナットの内2個が空回りしてはずれない。
どーもナットかボルトのネジがバカになって空回りしているようだ。
ロッキングプライヤーで挟んで引っ張りながら回しても抜けない。ロックナットのロック部分?の輪っかが引っかかって抜けなくなっているようだ。ちゃんと意味あんのねあの輪っか。
結局ディスクグラインダーで頭飛ばして引っこ抜くことに。
飛ばしたナットの破片をひろったら豚皮の手袋が焦げた。
ユルミ止のリングが残ったナットはレンチだと空回りして抜けなかったのでロッキングプライヤーで引っ張りながら回したら取れた。
やっとナットが全部取れた。
ボルトの方もずいぶんやられてる。
ユルメやすいようにスタッドボルトの根本にラスペネ吹いて染み込ませておく。
スタッドボルトを外す方法は特殊工具を使う方法以外ではダブルナットを使うやり方が一般的らしい。ナット2つはめて上下逆方向にシメてから上側を固定して下側をユルメ方向にまわすと抜けるとか。
だがスタッドボルト側がギリギリナット一個分程度しか山が残ってないので無理そう。
非常用の手段としてロッキングプライヤーで挟んで回す方法を試したら思いの外あっさりとユルんだ。
初めは水平に掴んで軽く回るようになってきたら他のボルトに引っかからないよう斜めに掴んで回すと楽に取れる。
ボルトのネジは無傷のようで一安心。
ホイール側のネジ山を若干なめているようにも見える。
許容範囲か?
ボルトの削りカスとラスペネ除去するためにパーツクリーナーで清掃しておく。
新品のダブルナットとロッキングプライヤーで無理やりユルめたスタッドボルト。
新しいスタッドボルトをつけていく。ロッキングプライヤーでしめると山が潰れてしまうしトルクの管理もできないのでダブルナットでシメていく。
まずは手でシメられるだけシメてからダブルナットでシメる。
リアスプロケット止めるナットはロックナットなのでダブルナット用のナットは別に用意したほうが良いと思う。その場合、ナットの二面幅や高さも考慮して買うべき。
写真のナットは二面幅が13mmで合うソケットが無くて苦労した。あともうちょっと高さがあったほうが良かったかも、それと二面幅も上下で別々だったりしたほうが作業がやりやすかったかもしれない。
トルクレンチを使ってまずは25Nでしめて次は30Nでシメる。
サービスマニュアルにはスタッドボルトをはめるときの規定トルクは書いてないようだ。リアスプロケットのナットは33Nなのでとりあえず33Nで締めておく。
スプロケット、ワッシャ、ナットを仮ドメすると明らかに写真左上の一本だけナットが低い。
う~ん間違いなく低い…
一旦ナットとワッシャー外してスタッドボルトの高さを測る。
大体2.8cm前後スタッドボルトが突き出しているのに1本だけ2.6cm程度しか突き出ていない。
スタッドボルトの締め具合はトルクではなく高さで管理するらしいです。
そしてスタッドボルトをハブにねじ込む前にネジロックを塗布するそうだ。
詳しくはコメント欄で。
低いスタッドボルトを一旦引っこ抜く。
右の予備のボルトに比べて明らかに異常がある。締めすぎでネジが伸びて白くなったのか?
う~んホイール側の山が明らかに削れてしまっている。やっちまった…。
とりあえず予備のスタッドボルトでやり直してみる。念の為スタッドボルトもロックナットも8本づつ頼んでおいて良かった。
予備のスタッドボルトをトルクレンチと手トルク併用で慎重にシメていく。
トルクレンチで25N超えてそれなりに手応えがあるところまでシメるとやはり他のボルトよりも深くハマってしまう。
もう仕方ないのでこのままナットをシメていく。
まず20N、25N、28N、30Nとトルクを大きくしていく。
規定トルクは33Nだがどーもナメそうな手応えがあったので30Nでやめる。
6本全部シメ終わったところ。
やっぱり1本だけ明らかに低い。ギリギリロックナットのリングが山にかかっているのでとりあえずこれで良しとしておく。
ダンパーもちゃんと合ってるね。
やっとチェーンを車体に取り付ける準備ができた。
今回活躍したアイテムたち
本日のMVPロッキングプライヤー。
次回のチェーン圧入でも大活躍する。
ナメたナット回すだけではなく折れたシフトレバーやブレーキペダルの代わりになったりもする。
工夫次第で色々な用途をこなせるので車載工具に加えておくのも良いと思う。
実際今回使ったロッキングプライヤーは普段車載工具として積んでるやつ。
5~40Nのワイドレンジをカバーするトルクレンチ。
トルクレンチがあれば大丈夫というわけではないことを今回思い知ったけど手トルクで調整するにしてもやっぱあったほうが参考になる。
20~140までカバーするトルクレンチ。
これとMTQL40Nがあればセロー250で使われているネジのほとんどのトルクに対応できるはず。サービスマニュアルを読むと締め付けトルクが2Nのネジがいくつかあるがエンジン内部の部品でも無い限り手トルクで十分だろう。
コメント
私もセローに乗っていて,参考にさせていただいています。
リアスプロケットのナット。33Nmではオーバートルクで舐めますね。私もやってしまいました。
ところでスタッドボルトですが,サービスマニュアルに締め付けトルクが載っていないのでヤマハに確認したところ,トルクでは管理していないそうです。
ボルトにネジロックを塗り,ボルトの高さがが28〜29mmになるようにねじ込むとのことでした。
bearcatさんはじめまして
メーカーはスタッドボルトを高さで管理しているんですね。
ネジロックも言われれば納得です。
メーカーに確認も当然ですね重要なヵ所ですし、ちょっと動転していたかな。
有用な情報ありがとうございます。
ボルトスタッド 向きありますよ。長さ左右で違います。
締め切り前は、基本トルク掛からないですね。スタッド側は多少キツめですけど
たしかにねじ切り部分の長さ違いますね。
ただ高さが異常に低くなってしまったスタッドボルトもbearcatさんに教えてもらった数値分の高さに収まっているスタッドボルトも一応ねじ切り部分の長さは同じようなので向きは間違ってないと思います。
トルクかけすぎてスタッドボルトでハブを掘っちゃたんですかね。