オフロードに強い250ccアドベンチャーバイクはコイツだ!? 最近流行りの250ccアドベンチャーバイクを勝手に比較

レビュー:バイク用品
250ccアドベンチャーバイク

今250ccアドベンチャーバイクが熱い!!(気がする)

日本の主要4メーカーから発売されている250ccアドベンチャーバイクのうちオフロード走行に適したものはどれなのかを見た目と諸元表を参考に比較したいと思う。

今回比較するのは以下の4台

  • ツーリングセロー
  • CRF250ラリー
  • ヴェルシスX250ツアラー
  • Vストローム250

ちなみに俺が実際に乗ったことがあるのはツーリングセローだけである。
ツーリングセローしか乗ったことないのに比較するの?馬鹿なの?
などと言われそうだが見ただけで分かることも世の中にはある。

オフロードでの快適性をバイクの見た目と諸元表からチェックする際特に重用なのがトレッドパターンホイールサイズ車両重量最低地上高の4つである。

バイクの外観と諸元表からこの4つをチェックするだけでそのバイクがどの程度オフロードを意識して作られているのか、そしてオフロードをどれだけ快適に走れるのかをおおよそ知ることができる。

4台についてそれぞれ4つの項目をまとめ表にしてみた。

トレッドパターンホイール径車両重量最低地上高
ツーリングセローブロックパターンF21/R18インチ約140kg *285mm**
CRF250ラリーブロックパターンF21/R18インチ152kg220 [275]mm
ヴェルシスX250ツアラーラグパターンF19/R17インチ183kg180mm
Vストローム250ラグパターンF17/R17インチ189kg160mm
*ツーリングセローの車重についてはメーカーの発表がないので(YAMAHAも把握していないらしい)ノーマルセロー(ファイナルエディション)の133kgにツーリングセローに着いてくるアクセサリーキットの予想重量を加味して記載した。
**ノーマルセローの数値なのでアンダーガードの付いたツーリングセローは1,2センチ程度低くなる思う。

他にもサスペンションもオフロード走行時に重用な要素だがオフロードバイク同士の性能を比較するような場合以外はとりあえず気にしなくても良いだろう。

それぞれ詳しく解説していくのでオフロード走行に興味があり250ccアドベンチャーバイクの購入を検討している人は参考にしてほしい。

まずはタイヤのトレッドパターンをチェック

トレッドパターンとはタイヤ接地面の模様のこと。

オフロードを走るにおいてタイヤは最も重用なパーツだと思う。
他のパーツがどんなに高性能だったとしてもタイヤがグリップしなければ前に進むことすら出来ない。

ツーリングセローとCRF250ラリーのトレッドパターンは四角いイボイボが突き出したようなブロックパターン。

セロー純正タイヤのTRAIL WING TW301 TW302 引用元:https://www.bridgestone.co.jp/products/tire/mc/products/detail/pr046/

CRF250ラリー純正タイヤのGP-21 / GP-22 引用元:https://ircmoto.jp/product-list/onoff/gp-21-gp-22/

Vストロームのトレッドパターンは細い溝が横方向に走るラグパターン。

V-STROM250純正タイヤのRX-02 引用元:https://ircmoto.jp/product-list/onroadbias/rx-02/

べヴェルシスXのトレッドパターンはラグパターンとブロックパターンを組合せたような形状になっている。

ヴェルシスX250ツアラー純正タイヤのGP-210 引用元:https://ircmoto.jp/product-list/onoff/gp210/

オフロードを走る場合は土を掻きむしるような形状のブロックパターンが有利。

ラグパターンのタイヤでも普通の自動車が入ってこれるような未舗装(ダート)の林道程度であれば問題なく走れたりもするがマッド(泥)な路面になるとタイヤがグリップを失い走るのが困難になる。

こんな路面ならラグパターンのタイヤでもゆっくり走れば大丈夫

こんな路面はラグパターンだとコントロールが難しくなる

ツーリングセローとCRF250ラリーのタイヤはどちらもブロックパターンでオフロード性能はほぼ互角。

VストロームとヴェルシスXではよりブロックパターンに近い形状であるヴェルシスXのタイヤの方がオフロード性能は高いだろう。

次はホイールサイズをチェック

ホイールサイズ(リム径≒ホイールの半径)が大きくなると装着するタイヤのサイズも当然大きくなりオフロード走行時に色々なメリットがある。

  • 大小の落石や雨水にえぐられて出来たクレバスなどの障害を乗り越えやすくなる
  • 路上の障害物や凹凸にハンドルを取られづらくなる
  • オフロード向けタイヤの選択肢が増える
ホイールのリム径だけでなくリムもタイヤ選びに関係するのだが今回は割愛

ツーリングセローとCRF250ラリーのホイールサイズはフロント21インチ、リア18インチとオフロードバイクで一般的な大きさ。
オフロード走行に適したサイズでオフロードタイヤも選びたい放題。

ヴェルシスXはフロント19インチ、リア17インチとアドベンチャー系のバイクでポピュラーなオンオフのバランスが取れたサイズ。
オフロードタイヤの選択肢もそこそこある。

Vストロームはフロント、リアともに17インチとオンロードバイクによくあるタイヤサイズになりオフロード向けタイヤの選択肢はほとんどなくなってしまう。

Vストロームのみキャストホイールになり他の3台はスポークホイール。
スポークホイールはスポークがたわむことで路面からの衝撃を吸収しやすいとされオフロードバイクでは一般的にスポークホイールが使用される。

車両重量は軽ければ軽いほど良い

車両重量はオフロードでは非常に重要な要素になる。

車両重量が重くなることでオフロード走行時に以下のようなデメリットが生まれる

  • 荒れた路面での車体コントロールが難しくなる
  • 転倒時に怪我のリスクが高まる
  • 転倒時に故障のリスクが高まる
  • 転倒後の引き起こしが大変

デメリットのオンパレードである。
オフロードにおいて重くて良いことなんて一つとして思いつかない。
とにかく軽いほうがいいに決まってる。

バイクは自転車同様バランスを取り続けないと倒れる乗り物である。
そしてオンロードに比べるとオフロードはより積極的に車体のバランスをコントロールする必要がある。

重い車体もスピードが出ればむしろ軽い車体よりも安定して走れるぐらいだがオフロードでは荒れた路面を低速で走ることが多く、そのような状況では車体が重いほどコントロールが難しくなる。

そして転倒した場合に車両重量が大きいと搭乗者が怪我をしたりバイクが故障したりするリスクも高まる。

高重量のバイクでもガード類が充実していればエンジンガードもスライダーも付いていないオフロードバイクよりも安全なのでは?
と思う人もいるかもしれないが大概のエンジンガードやスライダーは平らなアスファルト上での転倒が前提なのでデコボコしたオフロードではその性能を発揮できないどころか怪我の原因にすらなる(オフロード向けに設計された物なら別)。

そして転倒したら当然引き起こさねばならないが車両重量が大きければ引き起こしが困難になるのは言うまでもないこと。

オフロードでは平らな場所などほぼないと思ったほうが良い。
また、ぬかるんでいたり草が生えていたりとアスファルトの上よりもずっと不安定で滑りやく踏ん張りの効かない状況であることが多い。

そして傾いていたり滑りやすかったり状態の悪い路面ほど転倒するリスクが高まるし引き起こしも困難になる。

平らなアスファルトの上なら200kgオーバーのリッターバイクを苦もなく引き起こせる力の持ち主でもオフロードでは140kg以下のオフロードバイクの引き起こしに苦戦することがままある。

また、今どき未舗装の道路なんて携帯電波の届かない山奥であることがほとんどだしたとえ電波が届いたとしてもロードサービスが来てくれるとは限らない。

ツーリングセローとCRF250ラリーの重量差は10kg前後と予想するがその程度の重量差であってもオフロードでの引き起こしや取り回しに大きな影響がある。

車両重量が180kgを超えるヴェルシスとVストロームについてはオフロードで転倒時に1人では引き起こせない状況になる可能性がツーリングセローとCRF250ラリーよりも高くなるだろう。

最低地上高は高いほうがいい

最低地上高はタイヤなどの足周りを除く部位で地面に最も近い部位の高さの数値。

オフロードを走る上では最低地上高が高いにこしたことはない。

大概のバイクで最も低く地面に近い部位はエンジンの下部を通るフレームやマフラーになるので最低地上高が低いとオフロード走行時に路面の石などにそれらのパーツをぶつけてしまう可能性が高くなる。

ツーリングセローは285mm、CRF250ラリーは275mmとオフロードバイクがベースなだけあって最低地上高が他の2台に比べとても高い。

CRF250ラリーはローダウン仕様だと220mmとかなり低くなってしまう。

ヴェルシスX250ツアラーは180mm、Vストローム250は160mmとローダウン仕様のCRF250ラリーよりもさらに低い。

ちなみにVストロームの160mmという最低地上高は同じくSUZUKIから発売されているオンロードバイクGSX250Rと同じ高さだったりする。

SUZUKI GSX250R 引用元:https://www1.suzuki.co.jp/motor/lineup/gsx250rzm0/?page=style&type=gsx250rzm0

バイクは小回りがきくので最低地上高が多少低くても注意深く走ることでオフロードも問題ないことが多いがフレームやマフラーをこすらないか気にしながらでは安心して気持ち良く走ることは難しいだろう。

順位発表

以上の比較と考察を元にオフロードを快適に走れる250ccアドベンチャーバイクの順位を付けてみる。

1位:ツーリングセロー
2位:CRF250ラリー
3位:ヴェルシスX250ツアラー
     4位:Vストローム250

1位は全項目でトップ(ホイールサイズと最低地上高は同率1位)のツーリングセロー。
正直アドベンチャー要素が弱い気はするがその分オフロードでの走りやすさと走破性は4台の中でもピカイチだろう。

2位のCRF250ラリーもセローと同じく元がオフロードバイクだけあってオフロード走行に何ら不安はない。
ツーリングセローと比べた場合、固定カウルなどのアドベンチャー要素が充実しているのは魅力的。

3位のヴェルシスX250ツアラーは4台の中で外見もスペックも一番アドベンチャーバイクらしいバイクだと思う。

4位のVストローム250はアドベンチャー風のオンロードバイク。

ちなみにオンロードの走りを重視する場合は順位が逆になる。

オンロードを重視した順位

1位:Vストローム250
2位:ヴェルシスX250ツアラー
3位:CRF250ラリー
     4位:ツーリングセロー

1位と2位についてはほぼ互角、3位と4位の間は結構ひらいていると思う。
理由については機会があったら書きたいと思う。

結論

オフロード走行を重点的に楽しみたい人はツーリングセローかCRF250ラリーを選ぶべきだろう。
どちらもオフロードバイクがベースなだけあってより快適かつ安全にオフロード走行を楽しめると思う。
オンロード、特に高速道路での快適性も求める人は固定カウルでエンジン出力の高いCRF250ラリーがおすすめ。

オンロード走行がメインだがオフロードも走ってみたいという人はヴェルシスX250ツアラーがおすすめ。
オフロード未経験者がヴェルシスXで廃道や獣道のようなガチのオフロードに突っ込むのはオススメしないが普通の乗用車が入って来られるような未舗装の林道程度なら路面の状態さえ良ければ問題なく走れるだろう。

オフロードを走るつもりはないけどアドベンチャーバイクの見た目や雰囲気が好きという人はVストローム250も選択肢になると思う。
Vストロームがオフロードを走れないなどと言うつもりはまったくないが他の3台に比べるとオフロードを走る上で技術、体力、根性がより必要とされるだろう。

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ヴェルシスXに適合するらしい。
ヴェルシスXでオフロード走行したい人は検討してみてはいかがだろうか。

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