ツーリングセローの装備(アクセサリーセット)を詳細に解説

レビュー:バイク用品

ツーリングセローを乗り始めてから5年間オンオフ問わず走り回った経験を元にツーリングセローに装着されている各パーツの良いところと悪いところを詳しく説明したいと思う。

ツーリングセローについてくるパーツについて

ヤマハのツーリングセローはセローに以下のTOURING SEROWアクセサリーセットが装着されたスペシャルエディションである。

  • アドベンチャースクリーン
  • ハンドルガード
  • アドベンチャーキャリア
  • アルミアンダーガード

アルミアンダーガード以外は主に長距離ツーリング向けの装備。
そのあたりがツーリングセローを名乗る所以だろう。

ツーリングセローに付いてくるパーツを後付でノーマルセローに取り付けるよりも初めからツーリングセローを買うほうが安くすむ。

取り付けをショップに頼んだ場合の工賃も含めると大体5万円程度は安くなるようだ。

以下各パーツの雑感を記したいと思うがノーマルセローを買ってお好みのパーツをつけるかツーリングセローを買うかお悩みの方の参考にもなると思う。

アドベンチャースクリーンについて

ツーリングセローに付いてくるパーツで一番気に入っている。

アドベンチャースクリーン 引用元:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/serow/touring/

大型のスクリーンと光沢のあるグレーの塗装(旧式は渋いゴールド)のステーで構成されている。
スクリーン部分は樹脂製のプラスネジでステーに止められており簡単に取り外しできる。

ステーにはマルチパーパスバーとライトガードが備わっている。

アドベンチャースクリーンの良いところ

防風効果UP

ネイキッドやトレールバイクのスクリーンは見た目だけで防風効果がほとんどないことがままあるがアドベンチャースクリーンはちゃんと体にあたる風を緩和してくれる。

特に冬の寒さを和らげる効果は毎シーズン実感している。
よく言われる防風による疲労軽減は個人的に体感できていない。

身長172cmの自分の場合、胸元あたりまで風を防いでくれるが首元から上は風があたってしまう。
背が高い人はあまり防風効果を実感できないかもしれない。

日本人の平均身長を考えるともうちょっと高さがあってもいいと思うが風圧によるハンドリングへの影響やオフロード走行時のことなども考えるとこのぐらいの大きさが限界なのかもしれない。

また、夏の夜に田舎の道を走っていると虫が衝突してきてジャケットのシミになったりするがアドベンチャースクリーンをつけているとかなり防いでくれる。
その代りアドベンチャースクリーンが虫のシミだらけになるがジャケットが汚れるよりはマシだろう。

マルチパーパスバーがナビや充電器の取り付けに便利

アドベンチャースクリーンのマルチパーパスバーはナビやスマホ、充電器の取り付けに大変便利。

また、ライトガードについてはヘッドライトの保護にどの程度役立っているか疑問だがちょっとした小物やロープを括り付けることができる。

また、スクリーンのおかげで雨の日に取り付けた機器が濡れるのを地味に防いでくれる。

アドベンチャースクリーンの悪いところ

ハンドリングへの影響

ツーリングセローで高速道路を走行時にハンドルがブレることが度々あった。

風の強い日は生きた心地がしないほどにハンドルがブレることもあった。

そんな時はアドベンチャースクリーンのスクリーンを取り外すとピタッと揺れが収まるので主な原因がアドベンチャースクリーンにあることは間違いないようだ。

アドベンチャースクリーンはフレームではなくフロントフォークとヘッドライトユニットに固定されているので走行時の風圧が直接ハンドリングに影響してしまうのだろう。

キャンプなどで大量の荷物を積んでいるときやフロントタイヤの空気圧が低いときにハンドルがブレることが多かったのでアドベンチャースクリーンだけがブレの原因というわけではないようだ。

夏暑い

冬は風を防いでくれて大変助かるのだが夏は風が当たらず大変暑い。

そのため夏の暑い間はスクリーンだけ取り外してしまうことが多い。

また、スクリーンを付けた状態だとマルチパーパスバー付近には風があたらないので取り付けたスマートフォンを充電しながらナビとして利用していると暑い日は熱で動作がおかしくなることがある。

オフロード走行時に邪魔になる

やはり大型のスクリーンはオフロード走行時は邪魔になる。

ガレた路面をスタンディングで走行中にフロントタイヤが跳ねた勢いで顎をスクリーンにぶつけたこともある。

道路わきから伸びた小枝などがスクリーンにビシバシあたり傷だらけになるのも悲しいものだ。
もっとも傷なんてそのうち気にならなくなるし藪漕ぎしながら進むような状況では草や枝を払ってくれて有り難いぐらいだ。

アドベンチャーキャリアについて

かなり大型でしっかりとした作りのキャリア。

アドベンチャーキャリア 引用元:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/serow/touring/

セローの積載能力を格段に引き上げてくれるがその分欠点も大きい。

アドベンチャーキャリアの良いところ

積載能力の向上

お世辞にも積載能力の高いとは言えないセローだがアドベンチャーキャリアを取り付けることによって積載能力が格段に向上する。

幅広な天板のおかげで大型のシートバッグもしっかりと固定できる。

周囲をぐるりと取り囲む太いフレームはサドルバッグの取り付けにも役に立つ。

自分は使っていないがトップケースを取り付けるための穴があらかじめ空いているのでトップケースを取り付ける場合は便利だろう。

アドベンチャーキャリアの悪いところ

転倒時に危険

路面の荒れた舗装林道で転倒した時に足首をアドベンチャーキャリアに挟まれて抜け出すのに手間取ったことがあった。

幸い通行量の極端に少ない道だったので事故に合うこともなくゴツいオフブーツのおかげで怪我もなかったがかなり危険な状況だったことは間違いない。

転倒が当たり前のオフロード走行ではエンジンガードやスライダーなどの出っ張った部品は極力少なくしたほうが事故や怪我のリスクを減らせると思う。

転倒前提のオフロード走行にアドベンチャーキャリアは向かないと思う。

重い

アドベンチャーキャリアの重量はカタログ上で2.1kg。

見た目の割にはとても軽量だがオフロードバイクのパーツとしては無視できない重さだ。

アドベンチャーキャリアとは別に「アドベンチャーリアキャリア」がある。

アドベンチャーリアキャリア 引用元:https://www.ysgear.co.jp/Products/Detail/top/item/Q5KYSK041E20

アドベンチャーキャリアとアドベンチャーリアキャリアの違いは色と対応年式(Y’S GEARに電話して聞いた)。

アドベンチャーキャリアは光沢のあるグレー2018年式以降のセロー250に装着可能なキャリア。

アドベンチャーリアキャリアは渋いゴールド2017年式までのセロー250に装着可能なキャリア。

色は違えどぱっと見は区別が付きづらく名前もひじょーに紛らわしい(YAMAHAのサイトですら間違っていた(笑))ので購入する場合はしっかりと型番をチェックしよう。
もしオークションなどで型番が確認できない場合は色の違いで確認すると良いだろう。

アルミアンダーガードについて

オフロード走行するならエンジンを保護するアンダーガードを付けたほうが安心して走れる。

アルミアンダーガード 引用元:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/serow/touring/

アルミアンダーガードの良いところ

オフロード走行時の耐久性の向上

ツーリングセローはアルミアンダーガードのおかげで石がゴロゴロ転がっているような悪路走行時の耐久性が増している。

未舗装林道をトコトコ走る分には必要ないかもしれないがちょっとした倒木や落石を乗り越えたりする場合はやはりアンダーガードが付いている方が安心できる。

純正のアンダーガードはエンジン下部だけではなくサイドもガードしてくれて安心。

こんな道をゆっくりトコトコ走る分にはアンダーガードがなくても大丈夫かも?

こんな道をゆっくりトコトコ走る分にはアンダーガードがなくても大丈夫かも?

倒木や落石を乗り越えて行くような場合にはあったほうが良いだろう。

このぐらいになってきたらあったほうが良いかも?

振動やエンジン音の反射に悩まされない

Amazonなどで社外品のアンダーガードのレビューを見ると振動やエンジン音の反射に悩まされている人を度々見かけるがアルミアンダーガードは純正品らしくそういったクレームはあまり見ないし自分も乗っていて気にならない。

アルミアンダーガードの悪いところ

整備性の低下

オイル交換時はアンダーガードを取り外す必要がある。

社外品のアンダーガードは外さずにオイル交換するための穴が開いていることが多いようだ。

個人的にオイル交換のタイミングで洗車(エンジンとアンダーガードの間に溜まった泥を落したり)するのでそれほどのデメリットは感じていない。

あとはコツをつかむまで取り付けがちょっと難しいのも難点。

ツーリングセローのハンドルガードについて

ツーリングセローには大ぶりで防風効果の高い樹脂製のハンドルガードが付いてくる。

ツーリングセローのハンドガード 引用元:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/serow/touring/

ツーリングセローのハンドルガードの良いところ

防風効果が高い

大型で手を包み込むような形状なので防風効果が高い。

すっぽりとハンドルを包み込むハンドルカバーほどではないが寒い日にはありがたい。

ハンドルカバーを付けて高速に乗ると風圧でカバーが潰されてフロントブレーキがかかりヒヤッとするなんてことがあるが、ハンドルガードの上からハンドルカバーをつけるとそういったことを防ぐことができる。

オフロード走行時に手を保護してくれる

樹脂製ではあるがしっかりとした作りなのでオフロード走行時に路肩から伸びている枝などからしっかり手を保護してくれる。

ツーリングセローのハンドルガードの悪いところ

転倒時にすぐずれる

ツーリングセローのハンドルガードはレバーやスイッチのマウント部分にとも締めされており転倒時に地面に接触するとレバーやスイッチごとずれてしまう。

ただ、ズレるときはレバーも一緒にずれてくれるので結果的にレバーの折れや曲りの防止にはなる。
とはいえ金属製でクローズタイプのハンドルガードに比べるとレバー類の保護に関しては劣ると思う。

転倒時にクラッチレバーとウインカースイッチごとずれたハンドルガード。

ハンドルガードごとクラッチレバーとウインカースイッチがズレてしまいグリップとの間にハンドルバーが露出している。

高速走行時のハンドリングに影響がある

アドベンチャースクリーンほどではないが強風時に高速道路を走っているような状況では風圧がハンドリングに影響する。

ノーマルのセローにつけるならどのパーツ

もし今ノーマルのセローを買ったとしてツーリング仕様にするならばアドベンチャースクリーンは必ずつけると思う。

キャリアについては「ワイズギア リアキャリア XT250(3C5)」か社外品のキャリアを付けるだろう。
どちらかというとオフロードを重視したいのでアドベンチャーキャリアのデメリットは正直でかすぎる。

ハンドルガードとアンダーガードは必ずつけると思う。
純正にするか社外品にするかはおそらくその時の気分と価格や入手できるかどうか次第になりそう。

オフロード重視の人におすすめのパーツ

長距離ツーリングやキャプツーリングを楽しみつつ未舗装の林道もガッツリ走りたい人におすすめなのはアルミアンダーガードとハンドルガード。

旧式のアルミアンダーガードは2018年式のセローにはつかないようなので注意が必要(逆に2018式対応のアルミアンダーガードなら古い年式にも対応可能かもしれない)。

アドベンチャースクリーンもおすすめ。

スクリーンに傷がつくのが気になるならオフを走る時だけ外せばいい。
マルチパーパスバーだけでも電子機器を頻繁に利用する今どきの長距離ツーリングにはとても便利だと思う。

大柄なアドベンチャーキャリアはオフ重視の人にはおすすめしない。
純正でつけるならこちらがおすすめ。

オンロード重視の人におすすめのパーツ

オンロード重視で長距離ツーリングやキャプツーリングを楽しみたい人にはアドベンチャースクリーンとアドベンチャーキャリアがおすすめ。

上にも書いたけど2018年式のセローに対応なのはアドベンチャーキャリア。
~2017年式のセローはアドベンチャーリアキャリアなので購入時は注意。

寒い日のことも考えるとハンドルガードもおすすめする。

アルミアンダーガードについてはオンロードを走る分には必要ない。
もし未舗装(ダート程度)の林道を走るのであれば付けたほうが安心だが必ず必要というほどではないと思う。

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